
こんにちは、一時的なニートきびなご(@kibinag0_blog)です。
年度末に退職したので勉強がんばってます。寒いからマック行って勉強したりしてます。マックはコンセントもあるし、あったかいし、同じく勉強している人も割といて、環境的には◎です。WifiはどんなときもWi-Fiだから、どこでもできるしね。
ということで本日の勉強内容まとめです。
債権の譲渡取引(Transfer of Receivables)

資金調達の手段として、企業は自社の売掛金を譲渡することができる。将来お金が入ってくる権利(売掛金)をあげるから、今お金ちょうだい!ってことですね。
債権の譲渡には売却と担保付借入の2種類がある。
・売却(Sale)
→ 売掛金を売却する。債権の”支配権は放棄している”。自分の手元からなくなる。
・担保付借入(Secured borrowing/Assignment)
→ 売掛金を担保にしてお金を借りる。債権の”支配権は放棄しない”。
ポイントは、債権の支配権(Control)を放棄(surrender)しているか、していないか。そして、もちろん会計処理も違う。
債権の担保付借入(Secured Borrowing)の会計処理
まず簡単なSecured Borrowing / Assignment から。
(例題)$1,000 の account receivable を譲渡した。融資手数料は$10で、年利が 3% の取引。譲渡から1年後に返却する。債権の支配権は放棄していない。
=売掛金の振替====
差入売掛金 (Assigned Accounts Receivable) $1,000 | 売掛金 (Account Receivable) $1,000 |
まず資金調達の際に売掛金を担保にするわけだから、担保にされた売掛金は通常の売掛金と区別しなければならない。その振替。敷金とかは差入保証金と呼ぶのと同様に売掛金の担保にも”差入”がつくのね。
=お金をもらう====
現金(Cash) $990 融資手数料(Financial Charge) $10 | 支払手形(Notes Payable) $1,000 |
ポイントは、約束手形を使用すること。
=取引先から売掛金が決済される====
現金(Cash) $1,000 | 差入売掛金(Assigned A.R.) $1,000 |
もともと掛売りで売っていた取引先から、お金をもらった時の仕訳。
=担保として借りていたお金を返そう===
支払手形(Notes Payable) $1,000 支払利息 (Interest Expense) $30 | 現金(Cash) $1,030 |
借りたお金はちゃんと利息をつけて返さないとね。
債権の売却(Sale)の会計処理
そしてもうちょっと論点がある売却(Sale)の会計処理です。
今回は、リコース義務 Recourse Obligation(返済義務的なもの。)がある場合の例題です。
例えば、あなたが持っている(A社からの)売掛金を僕に売ります。僕は優しいのであなたの売掛金$1,000を$980で買い取ってあげます。手数料(金利)は$20です。僕は1ヶ月後にA社から売掛金分の$1,000が回収できる予定です。でも、回収前にA社が倒産したらどうでしょう。僕はただあなたに$980払っただけになってしまいます。そんなリスクがあったらみんな売掛金を買い取ってはくれませんよね。
A社 → (売掛金) → あなた → (売掛金の売却)→ きびなご
だから、売掛金を売却するときは基本的にリコース義務 Recourse Obligation(売却した売掛金が回収できなかった場合に代わりに売却者が返済する義務)をつけます。上記の場合は売掛金を売ったあなたが返済の義務を追います。売掛金が無事回収されれば何の問題もないんですけどね。
会計処理はこんな感じ。
=売掛金を売却=========
リコース義務の公正価値(Fair Value)を$60 と想定。(問題で与えられる)
現金(Cash) $980 手数料(Factoring Fee) $20 売却損 (Loss on Sales Receivable) $60 | 売掛金(A.R.) $1,000 リコース義務(Recourse Obligation) $60 |
手順
①売掛金$1,000を売却し、現金$980 を得る。
②問題文にあるリコース義務$60を負債として計上。
③最後に手数料(金利)$20を計上。リコース義務$60を売却損として計上。これで貸借の合計額が合うはずです。
ファクタリング(Factoring)の処理
そして、何と何と、まだ終わらないのが債権の譲渡の論点です。最後に債権を金融会社や銀行などの債権買取業者(Factor)に売却するファクタリング(Factoring)です。
Factoringもリコース義務がある場合(with recourse)とない場合(without recourse)にわかれます。ので、それぞれの違いを簡単に、さらっと見ていきます。
ちなみに、Factoringでの最大のポイントはファクター留保分(Factor’s holdback receivables)です。売掛金の回収時に値引きがあった際などにFactorがあらかじめ一定額を留保しておき、差し引きした分を返金するよって感じのものです。考え方的には家借りるときに敷金で預けて、もし退去時に何もなければ全額返金で、何か壁に穴空いてたりとか不備があれば差し引きした後の金額を返金します、みたいな感じかな。
【例題】譲渡人(Transferor 売却する人)きびなご社がファクターのM銀行に売掛金$50,000を売却。きびなご社は支配権を放棄している。きびなご社は手数料$1,000と金利$500をM銀行に支払い。また売掛金総額の5%をファクター留保分(Factor’s Holdback)とした。
リコース義務がない場合
現金(Cash) $46,000 ファクター留保分 (Factor’s holdback) $2,500 手数料(Factoring Fee) $1,000 支払利息(Interest Expense) $500 | 売掛金 (A.R.) $50,000 |
手順
①売掛金$50,000を記載
②Factor’s holdbackを記載する。($50,000 × 5% = $2,500)
③金利$500と手数料$1,000を計上する。
④最後にCashを差し引きで算出($50,000-$2,500-$1,500 = $46,000)
リコース義務がない場合
次にリコース義務があった場合。リコース義務のFair Value は$600とする。
現金(Cash) $46,000 ファクター留保分 (Factor’s holdback) $2,500 手数料(Factoring Fee) $1,000 支払利息(Interest Expense) $500 売却損(Loss on Sale of Receivable)$600 | 売掛金 (A.R.) $50,000 リコース義務(Recourse Obligation) $600 |
ポイント!
リコース義務(Recourse Obligation)があるときは、貸方にリコース義務を計上し、借方に同額の売却損を計上する。
リコース義務と売却損はセットやね!!
棚卸資産(Inventory)とは

Next 論点 → NEW!! 棚卸資産
なんかこんなゲームっぽい、新しいステージ出ましたよ!みたいな感じにしたら、わくわくするかなと思ったけど、どう?笑
棚卸資産とその評価方法
そもそも棚卸資産(Inventory)とは何なのでしょうか。
Inventory とは
販売を目的として保有されている有形資産(Tangible Asset)のこと。具体的には下記の資産のこと。
- 完成品 (Finished Goods)
すぐに販売できる商品。 - 仕掛品 (Work-in-progress)
現在生産途中の商品。 - 原材料 (Raw Materials)
商品の原材料になるもの。 - 貯蔵品 (Supplies)
補助材料になるもの。
上記のものが一般的に棚卸資産と呼ばれるものなのですが、評価方法がなんと、、、5つあります!!
- 個別法 (Specific Identification)非常に高価なものとかで一品ものとかを取り扱う際に使用する。商品を個別に評価。
- 先入先出法(First In First Out : FIFO)最初に入ってきたものから販売されたと仮定し、評価する方法。
- 平均法 (Average Cost Method)平均はい、そのままです。移動平均は仕入毎に原価を計算し直す。加重平均は期末に平均出すだけ。
- 後入後出法(Last In Last Out)後から入ってきたものから販売されていくと仮定。砂利とか土とかって山にして保管してるから、LIFOが一番 正確に測れるんですよね。
- 低価法(Lower of Cost or Market Basis)棚卸資産の評価額が取得額(原価)を下回った場合、時価によって評価するよってやつ。
こちらは、まとめるのがとてもめんどくさい ありがたいことにちゃんとまとまっているサイトがありましたのでリンク貼っときますね!
http://www.accountingforworld.com/uscpa-lecture/far/inventory2/
番外編①:ドル価値後入先出法(Dollar-Value LIFO)
番外編でドル価値後入先出法(Dollar-value LIFO)をやるね。さっきリンクを貼ったUSCPA日記さんの方に記載がなかったのでこちらで追記。
LIFOを使用すると最新のものから出ていくのさ。そしたら、例えば2020年に買ったものが2020年に売れればいいじゃん。後から入ってきたやつは。でも、売れ残っているやつって例えば15年前の2000年から残っているやつがいたら今の物価とマッチしていないわけよ。だって2000年の物価と2020年の物価って全然違うじゃん。(ちなみに”やつ”は”在庫”な笑)
だから物価を考慮した棚卸原価を算出しようよっていうのがDollar Value LIFOなの。
Abitusさんの教材からその3ステップを引用すると、、、
- 各年度の価格水準による期末棚卸資産評価額を、価格指数を用いて基準年度ベースの価格による評価額に換算し直す。
- 基準年度の価格水準に置ける各年度末の棚卸し評価額を元に、前年度末からの増減をみる。
- 購入した年度の直にするため、各年度の価格指数で再評価する。
まぁ説明難しいから例題いくよ例題!
【例題】
Year | Value as current year-end | Price Index | Value as per base year |
2001 | 200,000 | 1.0 | 200,000 ① |
2002 | 299,000 | 1.15 | 260,000 ② |
2003 | 300,000 | 1.20 | 250,000 ③ |
2004 | 351,000 | 1.30 | 270,000 ④ |
【答え】
2002年末のLIFO Inventory Value | $269,000 |
2003年末のLIFO Inventory Value | $257,000 |
2004年末のLIFO Inventory Value | $283,500 |
まず与えられるのはValue as Current Year End と Price Index。それを元に問題を解いていきます。考え方としては、全ての年度をBase Year(今回は2001年)の物価で考えた価格に戻して、それから正しい物価で再評価しましょうよって感じ。
① 2001年
まず200,000はBase Year でそのままだから簡単ね。$200,000
② 2002年
物価指数(Price Index)で $299,000 / 1.15 = $260,000 になる。
2001年度の物価でいうと$260,000分の棚卸資産がありますよってこと。でも2002年分は2002年分の評価額に直さなければなりません。
2001年分の$200,000はそのままでOK. でも、2002年に購入した$60,000(260,000-200,000)は1.15で掛けて戻さなければならないため、$60,000×1.15 = $69,000となります。
結果 $200,000 + $69,000 = $269,000 が2002年の棚卸資産の評価額。
③2003年
こちらも物価指数で$300,000/1.2 = $250,000。これは2002年度のBase year cost と比べると$10,000減少していることがわかる。LIFOなので、2003年(今年)に購入した分は全て販売されている。基準年度からある棚卸資産$200,000はそのまま。そして、2002年に購入された分 $50,000(250,000-200,000)を2002年の物価指数で戻していく(2002年に購入された分であるため)。$50,000 × 1.15 = $57,500。
結果$200,000 + $57,500 = $257,500 が2003年の棚卸資産の評価額。
④2004年
こちらも物価指数で$351,000/1.30 = $270,000。2003年度のBase Year Cost と比較すると$20,000増加している。よって今年(2004年)に購入された分は$20,000ということになる。2004年分を物価指数で掛けると$20,000×1.30=$26,000になる。前年度の評価額に今年の評価額を足すと $257,500 + $26,000 = $283,500 が2004年の棚卸資産の評価額になる。
番外編②:低価法(Lower of Cost or Market Basis)
やっぱり自分でも低価法の部分をまとめておきたかったので、追記。低価法とは、棚卸資産の評価額が取得金額を下回った場合にある基準を用いて時価まで下げて評価を行うことです。
簡単にいうと、、、
1. もし “棚卸資産の評価額 < 取得価格” ならば
2. NRV(時価の上限), NRV-profit(時価の下限) の数値を求める。(範囲を求める。)
3. Replacement costを求め、それがどの位置にあるかを求める。
4. Replacement Costの位置によって時価を決定する。
NRV > Replacement > NRV-profit | 普通これ。Replacement Costを時価とする。 |
Replacement > NRV | NRV が上限なので、NRVが時価となる。 |
NRV-profit > Replacement | NRV-profitが下限なのでNRV-profitが時価となる。 |
5. 求められた時価と原価どちらが低いかを調べる。低い方を棚卸資産の評価額とする。
※Net Realizable Value (正味実現可能価格) とは、「売るときの時価」のこと販売価格から販売コストを引いたもの。
上記の手順はUSGAAPのみ。(IFRSのLCMは単純に原価とNRVのどちらか低い方を評価額にするだけ。)
商品引き渡しの条件(Terms of Delivery)
そして、商品引き渡しの条件。
要するに送料とか責任をどちらがどこまで持つかって感じですね。Free on Board (FOB)でshipping point ならShipping Point(送付元)まではSellerの責任、費用負担ですね。こちらは責任の範囲が結構狭いです。(下記画像の後者)
そして、FOB Destinationなら、Destination (送付先)まではSellerの費用、責任です。(画像では前者)
※緑の部分がそれぞれの費用、責任の負担部分です。
参照元(リンク)
ちなみにFOB Destinationで仕入を行なった場合(画像 前者のBuyerの立ち位置)、送料、パッケージ費用、特別手数料など全てがSeller負担になります。なんてお得。
そして、責任や費用も もちろんだけど、その所有権もFOBの指定地点で変更される。例えば、棚卸資産の問題で『FOB Shipping Pointにて20×1/12/30に$1000のMerchandiseが発送されました。こちらに到着したのは20×2/1/10でした。このMerchandiseはInventoryに含めるか?』的な問題が出ます。
答えは、含めます。FOB Shipping Pointなので、Shipping Pointを離れた時点ですでにこちらの所有物になるのです。期をまたぐのって結構出やすいみたい。
すごくすごく長い記事になってしまったけど、今日はこんな感じでした。ニートなので、一日の勉強量が一時的に多くなっています!そのうち、また働き始めたら減るだろうな笑
ということで今日もLet’s enjoy studying USCPA!!